狛犬通信のファイナルゲストは、あのコマイヌサンです。
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| 戦前の教科書に懐かしの「コマイヌサン」を訪ねる。 |
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この挿絵を見て、「ああ〜懐かしい!!教科書に載った狛犬だ」と即座に反応された方は、 昭和16年〜20年(1941〜45年)に国民学校に学んだ(昭和10年〜14年3月生まれの)当時の少年少女です。昭和16年に「国民学校令」が公 布され、小学校は国民学校と呼ばれるようになり、第五期国定教科書が使用され始めました。狛犬が載っている教科書は「ヨミカタ 一 (巻きいち)」の読本で、国民学校に入学した生徒が最初に手にした本でした。頁数90頁、挿絵はすべてカラー(といっても写真のような フルカラーではない)で、狛犬の絵は9頁に阿吽一対で描かれ、「コマイヌサン ア コマイヌサン ウン」の文章が添えられ、神社の境 内でハトと遊ぶ少年少女の絵が載っている前頁(8頁)と対をなしています。この本を含め、当時の教科書に一貫して流れていた編纂方針は 「神国思想」の徹底。国家意思を子供たちに教え込もうとした、戦時下の為政者の意図が透けて見えます。子供たちに卑近の遊び場所であ った神社の境内や狛犬を題材に採り、「神国日本」を教育したプロパガンタは巧妙そのものでした。 |
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狛犬さんの見開きページ |
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| 懐かしの読本教科書「ヨミカタ 一」の頁をめくってみる。 |
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他の頁をもう少し、見てみましょう。表紙は巣を囲んだ雀の一家が描かれ、上段に「ヨミカタ」、中段に「一」、下段には「モンブシャウ」と文字が。いずれも右から左に向けて横書きされています。正反対の方向に横書きされた文字組に慣れきった私たちには、判読しがたいものです。巻頭の見開き頁(2・3頁)は、桜咲く校庭で先生の号令のもと、徒手体操に励む子供たち。次の見開(4・5頁)は運動場を行進する子供たち。「徒手体操」なんて語彙も、いまではなじみの薄いものになりましたが、ちなみに広辞苑には、「器具・器械を用いないで行う体操」とあります。器械体操とともに「教練」などと言った言葉を懐かしく思い出される方も、少なからずいらっしゃることでしょう。 |
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教科書の表紙 |

徒手体操する生徒 |

行進する子供たち |
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| 「少国民」、「八紘一宇」という言葉も、懐かしく思い出される。 |
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次の見開き(6・7頁)は、昇る朝日に向かってバンザイする子供たちの姿と「アカイ アカイ アサヒ アサヒ」の文章。狛犬頁を挟み、次の見開き(10・11頁)は、風にはためく日の丸の旗と「ヒノマルノ ハタ バンザイ バンザイ」の文章。ことほど左様に、当時の教科書は「少国民」に神国思想や八紘一宇(*)思想を植え付けつけることをテーマにして、編纂されていたことが分かります。ちなみに少国民とは「年少の国民」、即ち少年少女を意味する言葉。今や死語に近い語彙ですが、国民学校に学んだ方にとっては、心に生き続けている言葉ではないでしょうか。「小国民(小さな国民)」と表記されがちですが、あくまでも「少国民」が正なのです。 |
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*八紘一宇(はっこういちう)=世界を一つの家とすること。太平洋戦争期に、わが国の海外進出を正当化するために用いた標語。 |
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朝日にバンザイする子供 |

日の丸の旗 |
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